新人教育・学生指導における重要ポイント

教育・指導

はじめに

新人教育を行うにあたって、

プリセプターに任命されたが、どのように指導していいか分からない。

新人教育が上手くいかない。

なぜトラブルが続くんだろう。

など現場で困惑している先輩セラピストは多いのではないのでしょうか。

今の新人セラピストはコロナ禍の影響で長期の臨床実習を行うことができずに就職している人が大半であると思います。本来であれば実習で問題点抽出~治療プログラム立案、考察までの作業を経験するはずですが、この一連の作業ができない、また業務に追われ単位を取得することが仕事になっているということをよく耳にします。

この記事を見てくださっている先輩セラピストの皆さん、

初めからできる新人なんていません!

いかに早い段階で新人の個性・特色を見抜いて、その人材に適した指導を行うかが大切です。新人の1年、2年はかなり重要な時期です。共通業務を覚えることは当たり前ですが、セラピストとして成長するか否かはプリセプターの皆さん次第といっても過言ではありません。

今回は新人教育における重要なポイントを臨床実習にも応用できるようまとめましたので、少しでも参考になれば幸いです。

指導方法論

指導の模範的な考え方として

垂範(やってみせる)→指導(教える)→模倣(やらせる)→賞賛(ほめる)
という学習形態があります。
これは臨床実習でもよく使用されている方法です。
この臨床体験を重ねてセラピストとしての基本的態度、臨床技能、臨床思考過程を習得を目指します。
そして習得の過程として、
  • 見学レベル
  • 模倣レベル
  • 実施レベル

の3つの流れがあります。

【見学レベル】

・事前に視点を伝え、臨床技能を実演する

・目的、内容、方法を伝える

・理解度の確認

【模倣レベル】

・模倣内容、リスクの事前確認

・部分的な実践指導

・達成度の聴取

・良かった点、改善点を伝える

【実施レベル】

・可能となった技能から手を引く

・リスクの事前確認

・監督は絶対に必要

・達成度の聴取

・良かった点、改善点を伝える

指導者はこの流れを把握して指導に当たる必要があります。

コーチングとティーチング

【コーチング】

  • 相手の能力や自発性を引き出す
  • 未来に向けて相手の行動変容を促す

目標を達成するために必要な知識や技術、ツールが何であるかを見つけ出し、それを相手に備えさせるプロセスです。

コミュニケーションは双方向であり、相手のアイデアを引き出すことができます。

【有効な場合】

  1. 本人の中にある考えを引き出したい時
  2. 目標を明確化する時
  3. 本人の考えている情報にアクセスしたい時

【ティーチング】

  • 自分の経験や知識を相手に伝える

コミュニケーションは一方通行であり、アイデアを伝えることができます。

【有効な場合】

  1. 緊急性が高い時
  2. 基礎的な知識を伝える時
  3. ルールを徹底させる時

という方法があり、対象者や場面に応じて使い分ける必要があります。

 

コーチングの活用方法

【対象者、リスクから導く考え方】

★コーチングが必要な対象

対象者の能力が低い

職務のリスクが低い

対象者の能力が高い

職務のリスクが高い

★ティーチングが必要な対象

対象者のリスクが低い

職務のリスクが高い

※対象者の能力が高く、職務のリスクが低い場合はどちらも必要ありません。

 

【コーチングの構造(GROWモデル)】

Goal

目標を明確にする

どのような成果を出したいか

★目標は具体的で肯定的で実現可能なものに設定する必要があります。

Reality

現状を把握する

今重要な課題は何か

Resource

資源を発見する

どのような方法で調べるか

★単に正しく評価できないということだけではなく、どこまで分かっていて、何が分かっていないのか、できないのかについて具体的に現状を把握させギャップを明らかにする必要があります。

Options

選択肢や方法を考える

最もベストな方法、他にも方法はあるか

★目標や行動が決定しても、十分に考えることなく今までの方法を選んでしまうことが多いです。行動の選択肢を増やし、いろいろな視点から多くの方法を探し出した上で選択することが大切です。

Will

意思を確認する

計画は遂行可能か、どのくらいで達成できそうか

★目標達成に向かって行動する意思があるのかを確認することが大切です。いつ、どこで行動するのか具体的に確認しましょう。さらに行動計画を次にどのような形でフォローするかも決めておくことが大切です。

 

【コーチングが機能しない人】

  • 話を聞けない人
  • 約束(時間・行動)を守らない人
  • 信頼関係が築けない人
  • 常に否定的に考える人
  • 思考や感情をコントロールできない人
  • 過度に依存性が高い人
  • 攻撃的な人
  • 治療の必要な精神疾患がある人

が挙げられます。このような人には指導する上でのルールを明確にするため、まずティーチングを行うことが重要です。

 

まとめ

指導する上で、指導者の意見を押し付けるだけでは関係性は崩れるだけで、新人や学生は全く成長しません。まず、その対象の特徴をとらえる必要があります。若者の現代気質として、

  • 組織の縦社会になじめない
  • 敬語が使えない
  • 悩めない

といった傾向が見られます。うまく順応できなければ落ち込む、体調を崩すといった身体化がみられます。それを防ぐために指導者は画一的な見方にならないようにレッテルをはがす、またコミュニケーションのギャップを埋める姿勢で個々の真の特徴を捉える努力が必要となるでしょう。

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