【心臓リハビリテーション指導士】症例報告における重要な5つのポイント

キャリアアップ

心臓リハビリテーション指導士の試験前に1つ大きな山場があります。皆さんも必ず通らなければならない「自験例報告書 10症例」です。今回の記事では自験例報告書のポイントや内容の書き方・コツについて少しでも有益な情報をお伝えできればと思います。

これを読み終わるころには作業時間が改善し効率よく報告書が記載できるでしょう。

自験例報告書の経験内容について

まず大前提として受験者本人が自ら担当し評価・指導した内容を自ら考えて記載することが絶対条件です。また、使い回しや転載、捏造は違反となりますので注意しましょう。

  • 運動療法
  • 運動負荷試験
  • 冠危険因子に関する指導・教育
  • 日常生活指導、禁煙指導、服薬指導や栄養指導
  • ストレスコントロール
  • 復職評価・指導

経験内容にこれらの点を網羅しながら記載する必要があります。私は10症例中7例に対してCPXにて運動耐容能評価をしており、それに準じた運動指導を報告書に記載しています。可能であればより多くの症例にCPXを行っていることが望ましいと思います。

ただCPXにて評価を行った結果を記載するだけでは、審査に通らないこともあります。実際、私の職場でCPXを実施しているものの、内容が薄くレポートとしては不十分であり、審査に落ちたスタッフがいました。

自験例報告書をまとめる上での注意点

JACRの公式サイトに細かい注意点は記載されていますが、ここでは特に注意する5項目を記載していきます。

  1. 自分がどのような視点を持ち関わりを持ったか明確にする必要がある
  2. リハビリを行った上で患者がどのように変化していったか記載する(失敗した症例も可)
  3. 同じ内容の症例ではなく、様々な疾患に対して心臓リハビリテーションを実施した症例が望ましい
  4. 運動耐容能については必ずしも呼気ガス分析を用いる必要はないが客観的な指標は必要
  5. 運動指導、患者教育、運動負荷試験結果を詳細に記すこと

CPX症例は多いに越したことはないように感じます。

ただ、患者個々で特異性を見出す必要はありそうです。

実際の記載例

診断名~評価まで項目は誰でも記載できる項目ですので、ここでは割愛させていただきます。

以下、実際の記載例となります。

①CPXを用いて運動耐容能評価を行った症例

【運動指導と患者教育】

①運動処方(強度、時間、頻度、期間):毎日20~30分程度の歩行の距離に勤務地があるため、通勤を行えば現段階ではそれが十分に必要な有酸素運動になることを指導し週5日程度行うように指導を行った。目標心拍数は90(AT時心拍数)に設定、仕事復帰し日常生活に支障が出なければ、筋力増強訓練としてまずはスクワット15回2セット~行うように指導し、運動強度に関してはボルグ指数13以内と設定した。

②患者指導・教育:減塩の食事指導は栄養士により実施した。自宅では定期的な血圧、体重測定を行うように入院中から習慣化、記録するように看護師、リハビリスタッフより指導した。また、禁煙中であったため引き続き継続するように指導した。

【心臓リハビリテーション考察】

退院後は職場復帰予定であった。運動耐容能低下を認めており、在宅での運動処方、また、開胸術後であるため日常生活動作指導を重点的に行った。運動処方や患者教育を行い順調に自宅退院が可能となった。

②Borgスケールを指標として運動処方を行った症例

【運動指導と患者教育】

①運動処方(強度、時間、頻度、期間):退院後、家族に付き添ってもらう条件付きで自宅近くでの杖歩行30mを2セット、ボルグ指数12程度を目安に週3回程度行うように指導。脈拍上昇や高血圧であるため、家族に支えながらの運動でも可能とした。

②患者指導・教育:薬剤師による服薬指導と栄養士による栄養指導を本人ならびに家族に指導。自宅での運動については無理に行わないことと、寒い時期などは服を重ね着するなどして全身をできるだけ暖かく保つように指導した。また、自覚症状ないが脈拍上昇などあるため運動前後での血圧測定を勧めた。

【心臓リハビリテーション考察】

もともと両膝に可動域制限があり、杖歩行であった。歩行訓練など行うも、膝の疼痛が強く思うように運動耐容能の改善が図れなかった症例。杖歩行では膝への負担が大きく、自覚症状ないものの脈拍上昇が目立ったためリハビリ室での運動は平行棒内で上肢支持を用いて運動量の拡大を図っていった。これにより運動耐容能の改善を図ることができ、杖歩行の歩行距離延長につながった。血圧や脈拍上昇する場合は実際よりも負荷を軽くし運動量を増やして有酸素運動を行うことが今回の症例においては有効であった。

CPXが不可能な症例では客観的指標としてBorgスケールカルボネン法による目標心拍数の設定などが有用です。カルボネン法を使用する場合はβブロッカーなどの脈拍をコントロールする薬を内服していないか確認する必要があります。

まとめ

患者個々のライフスタイルによって運動の種類や指導内容は変化すると思います。診療の段階で患者背景をしっかり把握し、評価・指導ができればそこまで難しい報告書ではありません。ただリハビリで湯酸素運動を行うだけでなく目標を持って先を見据えたプログラム、運動強度の設定などを行いましょう。診療や試験に役立つ参考書や診療時に意識するポイントなど、別記事で紹介できればと思います。無事報告書が完成し試験を受ける皆様が合格できることを心より祈っています。

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